「外壁のつなぎ目が割れてきた…」「コーキングの部分が黒ずんでいる…」そんな症状に気づいて、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
外壁のコーキング(シーリング)は、建物の防水性を保つ上で非常に重要な役割を担っています。
しかし、紫外線や雨風の影響を受け続けることで、徐々に劣化が進んでいきます。
コーキングの劣化を放置すると、単なる見た目の問題では済まず、建物全体に深刻なダメージを与える可能性があります。
この記事では、コーキングが割れる原因、放置することで起こるリスク、そして適切な補修のタイミングについて詳しく解説します。
大切な住まいを守るために、ぜひ最後までお読みください。
Contents
外壁コーキング(シーリング)とは?
まずは、コーキングの基本的な役割について確認しましょう。
コーキングが施工される場所
コーキングは、主に以下の箇所に使用されています。
【コーキングの主な施工箇所】
外壁関連:
├─ サイディングボードの継ぎ目(目地)
├─ 窓枠やサッシ周り
├─ 玄関ドア周り
├─ 換気口・配管の貫通部
├─ ベランダやバルコニーの接合部
└─ 基礎と外壁の取り合い部分
その他:
├─ 浴室やキッチンの防水部分
└─ 屋根の谷部分や雨樋接合部
コーキングの3つの重要な役割
1. 防水性の確保 外壁材の継ぎ目から雨水が侵入するのを防ぎ、建物内部を守ります。これがコーキングの最も重要な役割です。
2. 緩衝材としての機能 建物は気温変化や地震などで微妙に動きます。コーキングはその動きを吸収し、外壁材の破損を防ぐクッションの役割を果たしています。
3. 気密性の維持 隙間を埋めることで、外気の侵入を防ぎ、建物の断熱性能を保ちます。
これらの役割から分かるように、コーキングは「建物の健康を守る縁の下の力持ち」なのです。
コーキングが割れる原因とは?
コーキングが割れたり劣化したりする原因を理解することで、適切な対応が可能になります。
コーキングの主な劣化原因は?
1. 紫外線による劣化 最も大きな原因が紫外線です。日々降り注ぐ紫外線により、コーキング材が硬化・収縮し、弾力性を失っていきます。特に南面や西面は劣化が早い傾向にあります。
2. 温度変化による伸縮 夏と冬、昼と夜の温度差により、外壁材やコーキングが膨張・収縮を繰り返します。この動きが何年も続くことで、コーキングに負担がかかり、ひび割れや剥離が発生します。
3. 経年劣化 どんなに高品質なコーキング材でも、時間の経過とともに劣化は避けられません。可塑剤の揮発により、徐々に硬くなり、ひび割れやすくなります。
4. 施工不良 適切な下地処理が行われていなかった場合や、コーキング材の厚みが不十分だった場合、通常よりも早く劣化が進むことがあります。
コーキング劣化の段階
コーキングの劣化は、段階的に進行します。
【劣化の進行ステップ】
第1段階:変色・ツヤの消失(築5〜7年頃)
├─ 症状:コーキングが黒ずむ、ツヤがなくなる
└─ 対応:経過観察、次回メンテナンス時に対応検討
第2段階:硬化・弾力性の低下(築7〜10年頃)
├─ 症状:触ると硬い、表面にシワが寄る
└─ 対応:補修の検討を開始
第3段階:ひび割れの発生(築10〜12年頃)
├─ 症状:細かいひび割れが見られる
└─ 対応:早めの補修が必要
第4段階:剥離・欠損(築12〜15年頃)
├─ 症状:コーキングが外壁から剥がれる、一部欠ける
└─ 対応:速やかな補修が必要
第5段階:完全な破損(築15年以上)
├─ 症状:コーキングが完全に割れて隙間ができる
└─ 対応:緊急の補修が必要
コーキング劣化を放置すると起こる5つのリスク
「少しひび割れているだけなら大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、コーキングの劣化を放置すると、以下のような深刻な問題が発生します。
放置するリスク①:雨水の浸入
コーキングの隙間から雨水が侵入し、外壁材の裏側や建物内部に水が回ります。
これが最も大きなリスクです。
【雨水浸入による被害の連鎖】
ひび割れ発生
↓
雨水が隙間から侵入
↓
外壁材の裏側が濡れる
↓
┌─────────┬─────────┐
断熱材が水分吸収 構造材の腐食 カビ・結露発生
↓ ↓ ↓
断熱性能の低下 耐震性の低下 健康被害
放置するリスク②:建物の構造部分の腐食
侵入した雨水により、木造住宅の場合は柱や梁などの構造材が腐朽します。
鉄骨造の場合も、錆びが発生し、建物の強度が低下します。
想定される被害額:
- 外壁材の張り替え:50万円〜150万円
- 構造材の補修:100万円〜300万円以上
- 合計:150万円〜450万円以上
単なるコーキング補修であれば数十万円で済むところが、放置により数百万円の修繕費用が必要になるケースもあります。
放置するリスク③:シロアリの発生
湿った木材は、シロアリにとって最高の環境です。
コーキングの隙間から浸入した水分により、建物がシロアリ被害を受けるリスクが高まります。
放置するリスク④:室内への影響
雨水が建物内部に侵入すると、以下のような室内への被害が発生します。
- 雨漏り:天井や壁にシミができる
- カビの発生:健康被害(アレルギー、呼吸器疾患)のリスク
- 壁紙の剥がれ:美観の損失
- 結露の悪化:冬場の不快感増加
放置するリスク⑤:資産価値の低下
建物の劣化が進むと、不動産としての資産価値が大きく下がります。
将来的に売却や賃貸を考えている場合、大きな損失につながる可能性があります。
コーキング補修のタイミングは?
では、具体的にどのタイミングでコーキング補修を行うべきなのでしょうか?
築年数による補修時期の目安!
【築年数別コーキング補修の推奨タイミング】
新築〜築5年:
状態:良好
対応:定期点検のみでOK
築6〜10年:
状態:初期劣化の兆候が出始める
対応:外壁塗装と合わせて補修検討の時期
築10〜15年:
状態:明確な劣化症状が出る
対応:外壁塗装とコーキング打ち替え推奨
築15年以上:
状態:深刻な劣化が進行している可能性
対応:早急な診断と補修が必要
コーキング補修の2つの方法を紹介!
コーキング補修には、主に2つの方法があります。
1. 打ち増し(増し打ち)
既存のコーキングの上から新しいコーキング材を充填する方法。
メリット:
・費用が安い(1mあたり500〜800円程度)
・工期が短い
デメリット:
・耐久性が低い
・既存コーキングの劣化が激しい場合は不可
・推奨されないケースが多い
2. 打ち替え(撤去新設)
既存のコーキングを完全に撤去してから新しいコーキング材を充填する方法。
メリット:
・耐久性が高い(10〜15年持つ)
・密着性が良い
・根本的な解決になる
デメリット:
・費用が高い(1mあたり900〜1,500円程度)
・工期がやや長い
※一般的には打ち替えが推奨されます
まとめ:早めの対応が建物と家計を守ります!
外壁のコーキングが割れてきたら、それは確実に劣化のサインです。
「まだ大丈夫」と放置することで、以下のようなリスクが高まります。
- 雨水浸入による構造材の腐食
- シロアリ被害のリスク増大
- 室内への雨漏りやカビの発生
- 修繕費用が数倍に膨らむ可能性
- 建物の資産価値の大幅な低下
コーキングのひび割れや剥がれを発見したら、まずは専門業者による無料診断を受けることをおすすめします。
特に築10年を超えている建物では、外壁塗装とコーキング補修を同時に行うことで、長期的なコスト削減と建物の保護につながります。
「気になる症状があるけど、どこに相談すればいいか分からない」という方は、多くの業者が無料診断を実施していますので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
大切な住まいを長く守るために、適切なタイミングでのメンテナンスを心がけましょう!